三本日和の味噌づくり2025


今年も味噌づくりの季節がやってきました。皆さんはもう作りましたか?
1月の大寒の時期が味噌づくりに最適と言われています。空気中の雑菌が最も少なく、雑菌が繁殖しにくいと言われているからです。
我が家も今年は1月に仕込むことができました。暖房を切って空気の入れ替えをして、ちょっぴり寒いリビングで味噌づくり。
我が家の大豆は毎年変わらず、これ一筋。三本日和でも打ち豆等のお取り扱いのある、なばたけ農場の青大豆です。黄大豆より少し甘め。初めての味噌づくりがこの青大豆だったので、うちの手前味噌はずっとこの豆です。

塩は数年前から、志野製塩所の塩を使っています。こちらも三本日和で購入できます。志野さんの塩は越前海岸の海そのもの。ミネラルを感じる甘みが特徴の天然塩です。以前は能登塩を使っていましたが、お取り扱いを始めてから志野さんの塩に変更。味噌の味も少し変わりました。
今年の麹は越前町の朝日味噌のものを取り寄せました。味噌づくりを始めた20年前、最初に使った玄米麹で原点回帰。

ここ数年は、私は大豆を煮てミンチにする係。塩と麹を混ぜて大豆とあわせ、味噌玉を作るのは子供たち。赤ん坊のころから一緒に作っている長男はもうベテラン選手です。次男も手慣れたモノ。テキパキと進めてくれます。
「この味噌は、一人暮らしの長男に送ることになるのかも」
ふと、そんなことが頭に浮かびました。来年の春には県外へと旅立つ予定の長男。もしかしたら、一緒に味噌を作るのはこれが最後かもしれません。
彼にとっての初めての味噌づくりは、生後6ヶ月のころ。おんぶされての参加。初めての子育てに必死な毎日で大豆をちょっぴり煮詰めてしまい、慌てた味になったっけ。
それからもお友達家族や学生、三本日和のスタッフなど。この20年間、いろんな人が我が家に訪れ、初めての味噌づくりに挑戦しました。幼い頃はほんのお手伝いだった長男ですが、いつしか手順を教えるまでに成長。
3歳の頃は粘土遊びみたいに楽しんでたっけ。
7歳の頃はお友達親子と一緒に作ったっけ。
中学生になると最後の洗い物も手伝ってくれたっけ。
そんなことを思い出していたら、鼻の奥がツーン。一人暮らしの食生活が、この味噌で少しでも潤うといいな。

今年はそんな願いを込めて「おいしくな〜れ」と唱えながら、大豆2升分の味噌を仕込みました。味噌づくりは家族の食卓の基本。家族で一緒に作り続けてこれたことに感謝です。
そして毎年変わらぬ味を食卓に出せるのは、いつも変わらぬ食材を作ってくれる生産者さんのおかげ。ありがたいことです。
「変わらない」って難しい。
だからこそ、変化を楽しんでいきたいな。そんなことを感じた2025年の味噌づくりでした。さて、来年はどんな味噌づくりになるのやら。
三本日和 店主

おまけ
10年前の長男と私
一緒に味噌玉を放り込むところ
味噌づくりは家族の思い出です
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