三國會所が先日、平成28年度ふるさとづくり大賞の総務大臣賞(団体表彰)を受賞しました。昨年末のFBC輝き大賞に続いての栄誉です!素晴らしい!三國湊が新たな局面を迎えていると肌で感じます。
私が三国の町づくりに関わるようになって15年近くになりますが、三本日和のガラス窓から町を眺めていると、これまでと違う町の姿が見えるようになりました。その一つが三國會所の在り方。
三國會所の事務局は、三本日和のお向かいにある三國湊町家館内にあります。毎日、町づくりに関わっている人、三国のおじさま達が入れ替わり立ち替わりやってきます。仕事をリタイヤした年齢の方もいれば、働き盛りの世代もチラホラ。
最も人がやってくる時間帯は午後4時ころ。おじさま達が狭い事務所に集まり、ああでもないこうでもないと話しています。くだらない話をしたり、真面目な話をしたり、いろいろ。
そんな様子を見ていると、私は新米会社員時代を思い出します。本社100人程、海外の工場を合わせると1000人規模の中小企業でした。仕事の合間に給湯室で息抜きしていると、上司や隣の部署の課長部長がやってきました。会社で唯一の総合職採用女子だったこともあり生意気だった私を面白がって、おじさま達はいろいろな話をしてくれました。
給湯室に足を運ぶピークは午後4時ころ。あと一息で午後5時が見えてくる、一服したい時間帯です。面白おかしいエロ話に上手く乗っかったりあしらったり。くだらない話と思っていると、実は大事なプロジェクトの話なんてことも。ふざけているかと思いきや、仕事がスムーズに運ぶように、部署間で根回ししていることもしばしばでした。それは、多種多様な人々が属している組織だからこそ必要な仕事術。
夕方の三國會所は、まさにそんな感じ。午後4時、くだらない話をしているかと思いきや、実はプロフェッショナルな側面も。それぞれが忙しい仕事の合間をぬって立ち寄り、阿吽の呼吸で要件を伝え去っていく。
なんだか、自由な風土の企業みたい。
事務局はさしずめ、総務の給湯室と言ったところかしら。
三國湊町家プロジェクトや帯のまち流し。並行して進む様々なプロジェクトを統括する事務局は、総務部と給湯室を兼ねた場所。となると、あの委員会は会社でいうところのあれで、近所のおばちゃんはあれで、住民は株主みたいなものかしら。そんな視点を持つと町づくりの見え方が変わり、今の三國湊に何が必要なのか見えるようになってきます。
私も事務局にちょいちょい顔を出します。仕事外の相談事を持ち込むことも少なくありません。私もおじさま達も、この町で暮らし、働き、生きている人同士。亀の甲より何とやら。頼れる人生の先輩がたくさんいることは、この町で生きることを決める大きな要因となりました。親戚のおじさんが増えたみたいな気分。そういえば私が新米社会人だった頃の上司も、今頃は會所のおじさま達と同じ年齢なんだな。
そんなことを考えながら関わっている三國湊の町づくり。これからもっと面白い町にしていきたいと強く思います。一方で、町づくりの中心を担っているほとんどの人が私の親世代。私たちもそろそろ若い世代に目を向け、助ける側に回らねばと感じます。でも、まだまだ学ぶことがいっぱい。三國會所の皆様、これからもいろいろお世話になりますよ。
受賞おめでとうございました!
http://mikunikaisyo.org/yearbyyear/2764
店主 かなこ